創業の精神Our Origin

私たちが受け継ぎ、私たちがつくる。
1937年から、100年、その先へ。

香源は1937年(昭和12年)に名古屋で生まれたお香の専門店です。創業者・菊谷重雄が22歳で始めた商いは戦争や戦後の混乱、数々の災害や不況を越えて約90年続いてきました。

その歩みを支えてきたのは創業者一人ではありません。商品をつくった人、店頭に立った人、荷物を運んだ人、そして香源を信頼してくださったお客様、職人、取引先、地域の皆様。誰一人欠けていたら、今の香源はありません。

このページでは香源の原点と、私たちが今も大切にしている「創業の精神」をご紹介します。1937年の創業から現在までの年表と写真は、「香源の歩み」のページでご紹介しています。

香源の物語Our Story

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    12歳の少年が大須で学んだ「商い」

    香源の創業者・菊谷重雄は1915年(大正4年)、現在の愛知県北名古屋市・西春に生まれました。12歳で名古屋・大須のお香屋「小川春香堂」へ奉公に出て、お香だけでなく、お客様との接し方や商いそのものを学びます。もともと重雄が興味を持っていたのは「薬」でした。選んだのは、漢方薬にも通じる天然原料を扱うお香の世界です。同じ大須の商店街で、後に妻となる千代とも出会いました。香源の歴史は、最初から「ご縁」の連続でした。

  2. 02

    1937年22歳で始めた商い

    1937年(昭和12年)、22歳になった重雄は、千代とともに自らの商いを始めます。日本が戦争へ向かう、先の見えない時代でした。それでも二人は商いを続け、1939年には二代目となる菊谷勝が生まれます。香源の始まりは、豊かな時代からではありません。生きること、働くこと、商いを続けること。その積み重ねから始まりました。

  3. 03

    満州へ。そして、生きて帰る。

    戦争が始まると重雄も満州へ渡りました。家族に伝わる話では子どもの世話がとても得意だった重雄は、満州で将校の子どもたちの世話を任されていたといいます。今となってはすべてを確かめることはできませんが、確かなことは、重雄が生きて日本へ帰ってきたということです。一見、仕事とは関係のない力が、思いがけないところで人を助けることがある。だから、人を簡単に決めつけない。創業者の人生は、そんなことも教えてくれます。

  4. 04

    二代目が知った「生きる」ということ

    戦後もすぐに豊かな暮らしが戻ったわけではありません。二代目・勝は14歳のとき、栄養失調から紫斑病を患い、命に関わる経験をします。勝は当時を「太陽の光に当たろうと思った」と振り返ります。若い頃の勝は、ハツカネズミを自分で育てて販売していたこともありました。物がない時代に「自分に何ができるか」を考え、自分でつくり、仕事にする。「ないなら、考える。ないなら、つくる。」という生きる力が、そこにありました。1964年、勝は北海道夕張生まれの夏枝と結婚し、翌1965年に三代目・菊谷勝彦が生まれます。

  5. 05

    よく見る。考える。工夫する。

    創業者・重雄は将棋がとても強く、プロ並みの腕前と言われたほどです。よく見て、考え、違和感に気づく。二代目・勝は、ないものを自分でつくり出す。時代も性格も違う二人ですが、その姿勢は今の香源にも受け継がれています。

  6. 06

    約90年前の若者から今の若者たちへ

    1937年から現在まで、香源は戦争、オイルショック、地震や豪雨災害、リーマンショック、コロナ禍など、何度も困難に直面してきました。そのたびに会社を支えたのは、その時代に香源で働いていた一人ひとりでした。

    今の香源では店舗、EC、商品開発、お香講座、SNS、海外事業など、それぞれの場所で若いスタッフが活躍しています。社員の平均年齢は約30歳。その中には、1993年生まれの四代目・菊谷進之介もいます。創業者・重雄も、創業したときは22歳の若者でした。約90年前に一人の若者が始めた会社を今、多くの若い仲間たちが動かしています。

三つの精神Our Spirit

創業者・菊谷重雄は、経営の理論を本に残したわけではありません。しかし、商売について繰り返し語っていた考えがあります。私たちは、それを香源の「創業の精神」として受け継いでいます。

  1. 顧客を考えた「真心の商売」

    自分たちが何を売りたいかではなく、「このお客様にとって、何が一番よいか」を考える。店頭でも、電話でも、ECでも、お香講座でも、海外のお客様でも、目の前の一人に真心を尽くします。

  2. ともに生きる「共存共栄」

    自分だけが勝てばよいのではありません。お客様、社員、職人、メーカー、取引先、地域、社会。誰かの犠牲の上に成り立つのではなく、みんながともに生き、ともに栄える方法を考えます。

  3. 働く人の「素直な心」

    分からなければ聞く。教えてもらったら感謝する。間違ったら改める。年齢や役職に関係なく、人の意見に耳を傾けます。素直であることは、成長できるということです。

現代の言葉で誰も傷つかないやり方を、見つける。

これからOur Future

方法は変える。精神は変えない。

店頭販売から通信販売、インターネット、SNS、海外EC、そしてAIへ。商売の方法は約90年で大きく変わり、これからも変わっていきます。香源は、新しい挑戦を恐れません。ただし、迷ったときに戻る判断の軸として、創業の精神は変えずに受け継いでいきます。

私たちの使命Our Purpose

一本のお香のある暮らしで
世界を平和に。

私たちが届けているのはお香という商品だけではありません。仏前で焚けばご先祖様を想う時間が、一日の終わりに焚けば自分と向き合う時間が生まれます。一本のお香の向こうにある「人を想う時間」を、私たちは届けています。

戦争を経験し満州から生きて帰った創業者。その約一世紀後、私たちはお香文化を世界へ届けようとしています。一本のお香で世界を一度に変えることはできません。けれど、一人の心を穏やかにすることはできます。一人から家族へ、地域へ、日本へ、そして世界へ。小さな平和を一つずつ増やしていきます。

創業の精神を実践できるのは、今を生きる私たちだけです。香源で働く一人ひとりが、香源を継ぐ人。次の一ページを書くのは、私たちです。

1937年から、100年、その先へ。