現在と過去が混在する空間「串揚げ はん亭」で特別な時間を味わう
住所:〒113-0031 東京都文京区根津2-12-15 Googleマップ
営業時間:昼11:00~15:00(14:00 L.O.) 夜 17:00~22:00(21:30 L.O.)
定休日:月曜日
TEL:03-3828-1440
HP:http://hantei.co.jp
千代田線根津駅を出て、不忍通り沿いに「串揚げ はん亭」はあります。
根津は元々日比谷入江の奥地で、海水が引いた後陸地が現れたといいます。不忍通りは藍染川という不忍池に注ぐ川でした。明治時代に川を埋め道が作られ、そのあたりには商家が軒を連なり賑わっていたそうです。はん亭になる前は、評判の爪皮屋(雨や泥などをよけるために、下駄などの爪先につける被い)だったそうです。大正の震災、昭和の戦災にも耐えた建物は、昭和53年に「串揚げ はん亭」として生まれ変わりました。
はん亭の建物
2000年に入り不忍通りの拡張工事に伴い、通りに面した建物の全面が切り取られてしまい、その部分を鉄の矢来でシンプルに被うという施しをおこない現在に至ります。斜めから見るとモダンな装いをした建物の印象を与えますが、正面から矢来の隙間を除くと昔の姿を現す「現代」と「過去」が交錯する建築表現になっています。現在は国の「登録有形文化財」に指定されているそうです。
はん亭の串揚げ
はん亭の串揚げは基本の「一の膳」からスタート!
串は全てお任せで、揚げたてが少しずつ運ばれてきます。油は独自にブレンドしたものを使用。油それぞれがもっている特徴を引き出し、揚げたときにコクや旨味が出るようにブレンドしているそうです。さらに、細かいパン粉を使い、低温で揚げることでさっぱり食べやすく仕上がるとのこと。基本的に肉系の串には「ソース」を、野菜系の串には「塩」をつけて食べるのがオススメだそうです。生野菜には自家製の肉入り味噌を使います。
・一の膳¥4300(12種の串、箸休め2品、大切りキャベツと生野菜スティックのセット)
続いて、もっともっと食べたい方には「二の膳」をご用意。
・二の膳¥1500(6種の串)
さらに続いて、たくさんは要らないけど、あと少しだけ…そんな方には「三の膳」
・三の膳¥800(3種の串)
そのように続き、はん亭の串揚げは六の膳まで36種類が用意されています(もちろんもう一度食べたい串も1本からオーダー可能です¥280~)。季節の旬の食材を使い、年間でおよそ100種類ほどの串が登場するそうです!
はん亭のお席いろいろ
歴史を感じられる店内にはたくさんの席(約100席)が用意されています。それぞれ雰囲気も異なり、何度も足を運びたくなってしまいます。
店内にはなんと土蔵があります!土蔵の中は座敷席に改修され、一番人気のお席になっています。
はん亭ホームページには「はん亭ギャラリー」たるものがあります。はん亭のマスター(創業者の高須治雄さん)が描いた作品。このギャラリーが、気分がほっこり、なんとも楽しいのです。実際の絵もお店や外に飾られているので見逃さないようチェックしてみてください!四季の絵から従業員への給料袋への挿絵。マスターの気持ちの温かさを感じます。
お店、谷根千への想い
根津店店長の阿部金俊さんへお店と根津の町への想い、印象をお伺いしました。
阿部店長は、はん亭神田店、新丸ビル店でそれぞれ10年務められ、2018年から根津店店長に就かれました。
「はん亭の歴史は50年弱ですが、昔からご利用いただいているお客様が年を重ね、子供やお孫さんたちとまた来店していただけます。そういうお客様がいらっしゃると、お店が支持されているのだと改めて嬉しく思い、喜びを感じております。不忍通りの拡張工事により、通り沿いのお店、商店の雰囲気はだいぶ変わりました。それでも、谷根千、谷中の町の中には、昔ながらの下町の情緒ある雰囲気や歴史がまだまだ残っています。入り組んだ路地裏に入らないと味わえない良さがありますね」
根津エリアのランドマークとして、谷根千人気を牽引してきた「串揚げ はん亭」。いつの時代も変わることなく支持されていくのでしょうね。一度とは言わず、何度も通いたくなるお店です。