香源News2019年2月16日
仏事における香りや煙の意味
毎日、仏壇にろうそくを灯して線香・焼香を薫いて手を合わせる。かつては日常的に行われていた光景ですが、線香や焼香を薫く意味を皆さまご存知でしょうか?
宗派によって色々違いますが、亡くなった方が亡くなってから忌明けまで食べられるものは「香り」や「煙」だけといわれています。また、あの世にいってからも、こちらの声や香り、煙は届くといわれています。つまり「香り」や「煙」は故人にとって「ごちそう」なのです。
「ごちそう」となるからには、より良い香りや高いお香をあげた方がいいのでは?と思うかもしれませんが、決してそういうわけではありません。香りが仏様や故人の食べ物だという考え方からすると、故人の好きだった食べ物や香りを差し上げた方が喜ばれるのです。昔は香りの種類に限りがありましたが、現代では白檀など香木の香りの他に、お花や果物、コーヒーの香りなど様々な種類のお香が作られています。私たちも毎日同じ食事メニューだと飽きてしまいますよね。
日常的に薫くお香なら、その日の気分に合わせて香りを変えるのも一興ですよ。ただし、公の仏事の時は伝統的な香りを使っていただくことをおすすめします。伝統的な香りの原料には香木が使われており、香木の香りには邪気を払い、場を清めるという意味がある為です。法事や特別な時にはちょっと高級なお香を使ってみてもいいかもしれませんね。