谷中の茶室 瑜伽庵(ギャラリー大久保)で聞香・組香体験
谷根千ガイド2019年3月30日

谷中の茶室 瑜伽庵(ギャラリー大久保)で聞香・組香体験

住所:〒110-0001 東京都台東区谷中6-40 Googleマップ
アクセス:東西めぐりん「9-谷中霊園入口16-谷中霊園入口」か
JR、京成「日暮里駅」からどうぞ
営業時間:お茶室 11:00~17:00(L.O.16:00)、喫茶室 11:00~18:00(L.O.17:00)
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)、火曜日
お問い合わせ先:03-5834-2119 ※聞香体験は予約が必要です
HP:http://gallery-okubo.tokyo/ ※English site ※French site
「茶室 瑜伽庵(ギャラリー大久保)」さんは、アンティーク販売はもちろんのこと、本格的なお茶から香道、カフェ、ランチまで楽しめる複合ショップです。今回は「聞香」体験のレポートをしたいと思います。

聞香とは?

「聞香」と書いて「もんこう」と読みますが、何故「聞」という文字を使うのでしょうか。香道では、香りを嗅ぐのではなく「香りを聞く(きく)」と表現します。嗅ぐと表現すると、味気が無いのですが、聞くと表現すると、香りの特徴をしっかりと受け止め、解釈するというように「深く味わう」といったニュアンスになりますよね。繊細な日本人ならではの表現です。

また、普通にお香やお線香を薫くのと、聞香とでは、何が違うのでしょうか。

お香、お線香には香木を粉末にして、他の香原料、例えば桂皮(シナモン)や丁子などの漢方薬や、植物性香原料(例えば、カミツレ)などを混ぜて香りを整えています。聞香の場合は、香木を削り、香木そのものを温め香りを出すことから「香木そのもののピュアな香り」を味わうことができるのです。

聞香・組香を教えていただくのは大久保ギャラリーの大女将 大久保幸子さん(店主のお母様)です。

大久保幸子さんは、三條西御家流で40年以上のキャリアを持つエキスパート

組香(源氏香)を愉しむ

組香とは、いくつかの香りを薫き比べ、香りを聞き分ける遊びのことを言います。組香の中でも代表的なものが「源氏香」であり、源氏物語や和歌、季節を題材にして遊び方のルールを決め、香木の香りを聞きわけて楽しみます。

源氏香で使われる5本の縦棒を組み合わせた図柄

源氏香は上の図にあるように5本の縦棒を基本にした全52種類の図柄です。源氏物語は54帖ありますが、最初の桐壺と最後の夢浮橋を除いた52帖に対応されています。

組香で使用される香りは全部で6種類。伽羅(きゃら)、羅国(らこく)、真南蛮(まなばん)、真那賀(まなか)、寸門陀羅(すもたら)、佐曽羅(さそら)と呼びます。香木の種類で言うと「伽羅=伽羅」「羅国・真南蛮・真那賀・寸門陀羅=沈香」「佐曽羅=白檀」になります。沈香の場合は、先生が4種類の沈香を聞き分け、それぞれに「羅国・真南蛮・真那賀・寸門陀羅」のいずれかを振り分けるそうです。

聞香、組香に使う道具

写真の黒い箱を「乱箱(みだればこ)」と呼び、乱箱の中に組香に使う道具を用意します。

①手記録紙(てぎろくし)と手記録盆(てぎろくぼん):回答用紙と用紙を入れるお盆
②本香盤(ほんこうばん):香木を乗せる銀葉を置く台
③試香盤(こころみこうばん):試香をする場合のみ使用。試香用の銀葉を置く台
④火道具(ひどうぐ)、香筋建(きょうじたて):灰や銀葉、香木を扱う7種類の道具
⑤重香合(じゅうこうごう):使用後の熱くなった銀葉を入れる箱
⑥総包:組香で使う香木を入れておく包み
⑦聞香炉(二の香炉):香を聞くための香炉。二の香炉は予備
⑧聞香炉(一の香炉):香を聞くための香炉

記事では、それぞれの意味や使い方などお伝えできませんが、聞香体験では、幸子さまが丁寧に教えてくれますのでご心配なく♪それにしても、どの道具も精巧な造りで、綺麗な装飾が施されていて感動です。室町時代から続く「優雅な遊び」という意味が分かるような気がします。

いよいよ源氏香遊び

道具の準備ができたらいよいよ源氏香遊びスタートです。

本来は5種類の香木を各5包、合計25包用意し、その中から5包だけ抜粋し、その中の香木を当てる遊びですが、今回は筆者が初めてということもあり、当てやすくなるようご配慮いただきました。

初めてでも分かりやすい「佐曽羅(白檀)」を2包、伽羅、真南蛮、羅国を各1包、源氏香図も併せて縦棒が2本だけ繋がっている図柄10種だけに絞った香記(下の書)をご用意いただきました。

10種類の図柄から選ぶのであれば、はじめての人でも当てやすいですよね。組香をするときは、季節の和歌も組み合わせ、ゲームに彩を加えます

今回の組香名は「若菜香」。組香のテーマは証歌に記されている「君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ(古今集より光孝天皇)」です。香組とはテーマの中にある要素を抽出したもので、その各要素に香木を割り当てます。

それでは、お香はじめますと敦子さん(幸子さんのお孫さん)

一つの香木を3回聞くことができ、今回は4種類、佐曽羅(白檀)が2回登場します。沈香を聞き分けるのは難しいのですが、沈香・伽羅と白檀を聞き分けることは、はじめての人でも十分クリアできると思います。あとは、沈香の羅国・真南蛮、伽羅を存分に愉しむことをおすすめします。

今回は、1番目と4番目が佐曽羅(白檀)でしたので「紅梅」の香図。テーマに沿った答えで、季節感もありとても素敵な気分になりました♪初めて体験する人に「聞香」「組香」の楽しさが伝わるプログラムでした!さらに、瑜伽庵さんの聞香体験では、体験会で使った香木をお客様へプレゼントしているそうなので、家に帰ってもう一度香りを愉しむことができます。道具のことから、作法、歴史まで丁寧にご指導いただき、香木のお土産もあるだなんて、大、大満足の体験会でした。

聞香のすすめ

幸子さん、敦子さん本当にありがとうございました!

はじめて体験する聞香。混じりっけなしの純粋な香木の香りは別格でした!貴重な香木の香りを聞くだけでも、贅沢なのに、さらにその香りを使って、季節の要素を取り込み遊んでしまうとは、贅沢の極み、、ロイヤルな気分を味わうことができました。

聞香にご興味ある方は、ぜひ瑜伽庵さんで体験してみてください!!

お問い合わせ先:03-5834-2119
聞香体験費用:お一人様:3,000円(税込)
お時間の目安:2時間
※聞香体験は予約が必要です
住所:〒110-0001 東京都台東区谷中6-40 Googleマップ
アクセス:東西めぐりん「9-谷中霊園入口16-谷中霊園入口」か
JR、京成「日暮里駅」からどうぞ
営業時間:お茶室 11:00~17:00(L.O.16:00)、喫茶室 11:00~18:00(L.O.17:00)
定休日:月曜日(祝日の場合は営業)、火曜日
お問い合わせ先:03-5834-2119 ※聞香体験は予約が必要です
HP:http://gallery-okubo.tokyo/ ※English site ※French site

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