お香・お線香の原料紹介 取扱い・販売は当店にて!~香源東京銀座本店のお香コンシェルジュがご説明いたします~

お香原料 白檀 沈香 伽羅 乳香 龍脳 麝香 かっ香 丁子 大茴香 桂皮

お香・お線香の原料紹介 取扱い・販売は当店にて!
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目次

1.はじめに ~お香・お線香の原料~

2.お香に使われている「原料」とは

3.香料・スパイス・漢方薬の違い

4.原料解説

 1)白檀(びゃくだん・サンダルウッド)

 2)沈香(じんこう・アガーウッド

 3)伽羅(きゃら)

 4)藿香(かっこう・パチョリ)

 5)桂皮(けいひ・シナモン)

 6)丁子(ちょうじ・クローブ)

 7)大茴香(だいういきょう・スターアニス)

 8)乳香(にゅうこう・フランキンセンス・オリバナム)

   9)龍脳(りゅうのう・ボルネオ―ル)

   10)麝香(じゃこう・ムスク)

5.おわりに ~原料をより一層楽しむ方法~

 

1.はじめに ~お香・お線香の原料~

「お香」は様々な香りをお手軽に楽しめるアイテムとして、若い方からご年配の方まで広く親しまれているものですよね!種類としてはスティックタイプのお線香やコーン型など、アロマをたしなまれる方ならエッセンシャルオイル(精油)がおなじみですね。火を使わないお香なら、古典的には匂い袋、現代的にはアロマディフューザーが代表です。また体に直接つけるタイプのお香なら、和風のものならお寺の写経で使う塗香(ずこう)、洋風なら香水やボディミストがそれにあたります。
さて、これらの香りアイテムですが、皆さんはこのアイテムを作るときに何を使って香りを演出しているかご存じですか?実は、今も昔も、洋の東西も、使っているもの自体はほとんどみんな同じなのです。
今回はそれらをまとめてお香の「原料」としてご紹介していきます!

2.香料・スパイス・漢方薬の違い

まずはじめに知っておいていただきたいのは、皆さんの楽しんでいるお香の中身は、実は皆さんの食卓にも薬箱にも同じものが含まれているということです!
たとえば、わかりやすい例だとカレーが代表的です。とってもスパイシーで、香りを嗅いだだけでも食欲がそそられてくる大人気の定番メニューですね。そんなカレーですが、その特徴的な香りの元は「零陵香(れいりょうこう)」という草が主なんです!
この零陵香は「スパイス」という区分に分けられますが、実際は「香料」でもあり、「漢方」でもあります。それはなぜかというと、カレーといえばのインドの気候を思い出してみてください。
インドは熱帯気候で、生の食べ物の保存が難しい土地です。なのでスパイスを大量に食べ物にまぶして防腐しておくのが基本です。なので零陵香は、食欲をそそる香りの香料、食べ物の味付けとしてのスパイス、防腐(解毒)作用がある漢方薬にも使っていることから三種類すべてに当てはまるのです。
ただし何でも三種類すべてにあてはまるわけではなく、香料としてのみ使われるものや漢方にしかならないものもあります。原料の詳細は下の項目で順番に説明していきます!

3.原料解説

 1)白檀(びゃくだん・サンダルウッド)

お香原料 白檀 びゃくだん サンダルウッド

まずはお香といえば!の素材から説明してまいりましょう。
白檀の産地はインドのマイソール地方が最も有名で最高級とされ、この地方原産のものを「老山白檀」として特別に呼び分けています。国産のお香に使われている白檀は基本的にマイソール産のものや、性質的に似ているインドネシア産です。他にもアフリカのモザンビーク、タンザニアなどもありますが、東南アジア系白檀と比較するとそれぞれ香りに少しずつ違いがあります。
白檀はもともとの樹木らしい独特の甘みが特徴で、良質なものは特有の酸味もはらんでいます。常温でもよく香るので日本では匂い袋を作るときのベース原料として、また仏様が常に放っているという良い香りをイメージに、仏像を作るための材木としても珍重されてきました。
ちなみに中国の方などは白檀のことを「檀(だん)」と呼ばれます。大陸産
の有名な木材に「黒檀」「紫檀」などがありますが、これらとは全く別物の木です。
また、「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」ということわざもありますが、ここで出てくる「栴檀
」にも要注意です。ことわざの内容自体では白檀のことを言おうとしているのですが、実は白檀は双葉の頃は別にいい匂いはしません。これは『平家物語』の作者がインドの経典をもとに勘違いの拡大解釈をして作中に書いたのを理由に、現代にまで伝わってきてしまったといわれています。さらに、本物の「栴檀」は別にある種類の木で、また違った良い香りのする花を咲かせるそうです。

 2)沈香(じんこう・アガーウッド)

お香原料 沈香 じんこう アガーウッド

続いては、お線香素材の双璧ともいわれる「沈香」です。
沈香の香りは、白檀とも違う、一言では表現することのできない奥深い「幽玄な香り」だといわれています。また産地や、香木のひとつごとの個体差で香りが異なるため、ハッキリこういう香り、とは言い切れないものなのです。
沈香とは「沈水(じんすい)香木」の略で、比重が重くて水に沈む木であることからこの名前がつけられました。なぜ水に沈むかというと、実は沈香の正体が「樹脂の塊」だからなのです!
沈香木は樹脂、すなわちタールの塊ですが、これはもともとはちゃんとした木だったものです。沈香木のもとは「ジンチョウゲ科の木が病的変異をおこしたもの」といわれていますが、よくわかりませんよね?
つまり、沈香の元の木に自然現象由来のストレス(産地の気候による、たとえば海風による浸食や他の木の倒木による重圧など)がかかり、木の組織が空洞化し、そこの穴埋めに樹液が染み出し、さらにその樹液に特殊なバクテリアが付着して・・・という複雑怪奇な条件によって沈香木は生まれてくる「らしい」のです。やっぱりよくわかりませんよね?
わからないのも当然で、この沈香は現在でもどうやって出来ているのか、詳しいことはよくわかっていないのです。お香の業界の一部の方が、人工的に沈香木を作り出す研究を続けてはいるのですが、やっぱり天然物の香りには到底かなわないのだそうです。沈香の香りは、自然の神秘のなせる業あってこその香りなのですね。

 3)伽羅(きゃら)

お香原料 伽羅 きゃら

伽羅とは、沈香木の最上級品のことです。名前の由来はサンスクリット語で「黒」を意味する「カーラ」であるという説があります。産地についていえばベトナムとカンボジア周辺のごく一部で採取されたもののみを指していたのですが、これも正直なところ業界的にも曖昧なところです。
伽羅の生成過程は沈香よりも条件が厳しく、更なる奇跡の産物といわれています。しかも現在では新しく伽羅が採取されたという話は聞かないため、これからは使い尽くされていくだけの状況です。なのでお値段は同じ重さの金とイコールだったのは昔の話で、今では比べ物にならないほど貴重視されてきています。
伽羅の香りは沈香と比べると、より一層の奥深さがあります。室町時代のお香の専門家が決めた香りの分類に「五味」というものがあり、「甘い・辛い・苦い・酸っぱい・塩辛い」の五味すべてが含まれているものなのだそうです。逆に沈香はこれらの五味のうちいくつかを含むのみに留まるため、別格である伽羅の香りは「大宮人のごとし(天皇にお仕えする位の高い官人のようだ)」と称された例もあります。

 4)藿香(かっこう・パチョリ)

お香原料  藿香 かっこう パチョリ

藿香はシソ科植物の一種で、アロマをされている方にはパチョリとしてお馴染みの原料ですね。香りの感じ方の例としては「土っぽい・草っぽい」と表現されることが多いです。
藿香は漢方薬の「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」に含まれることが有名で、生薬としてネギ、ミョウガなどと並んで、胃を刺激して働きを活発にさせる効果が認められていた植物です。お香としては、お線香を作る時に色々なレシピに広く含まれている原料で、それとは別に匂い袋では袋内でもわりと比率高めに投入されます。
匂い袋に藿香を多く含むと、漢薬香料らしい古典的な香りに仕上がりやすいです。また白檀と同じく、常温でもよく香り、さらに香りを長持ちさせやすい性質から重要な素材です。

 5)桂皮(けいひ・シナモン)

お香原料 桂皮 けいひ シナモン

桂皮はシナモンの和名です。キッチンにもあるようなものなので、ここまでの原料よりもっと身近な存在ですね。
シナモンには大きく分けて2種類あり、お菓子作りに使われるのはセイロンシナモン、中華料理などに使われるのがカッシアシナモン(シナニッケイ)といいます。お香に使うのはカッシアの方で、香りの主張がハッキリしているため調香で活かしやすいのです。
他にも京都土産で有名な八つ橋にもシナモンを使いますが、正確にはニッキという「桂”皮”」でなくて根っこの部分を使った原料を使用しているのが特徴です。

桂皮はお香の素材としてはメインを張るような原料ではないのですが、みと少しの辛みを含んだ桂皮ならではの味わいでしか表現できない香りも確かに存在します。調香のときにはそこまで大量に入れるわけでないので、気にしなければ埋もれがちです。しかし匂い袋の調合などを自分でしてみるときには、入れる前と後で香りに桂皮らしいアクセントが加わったのがよくわかると思います。

 6)丁子(ちょうじ・クローブ)

お香原料 丁子 ちょうじ クローブ

キッチンの定番第二弾です。お料理される方ならスパイス棚にあっても珍しくないのが丁子です。英名ではクローブなので、こちらの名前ならピンとくる方も多いでしょう。
お香における丁子の出番は、とにかく辛味を表現したいときでしょう。香り自体には独特な甘みも含みますが、やはり辛味のほうがよく目立ちます。丁子分の強いお香は、古典的でビシッとしたお寺っぽい香りに仕上がりやすいです。ですが入れすぎるとすぐに全体の香りのバランスを損ねやすいため慎重な扱いが求められる原料でもあります。
丁子は実はキッチン以外でも活躍しており、みなさんの身近なアイテムとしては歯磨き粉の成分がそれです。他にも歯医者さんの特徴的なあの消毒液の匂いも丁子で、殺菌成分に富んでいるので古くから活用されてきたのです。

 7)大茴香(だいういきょう・スターアニス

お香原料 大茴香 だいういきょう スターアニス

これもお料理で、特に中華料理では豚の角煮、デザートなら杏仁豆腐の香り付けなどに活躍する原料です。「八角」といえば通じる方もいらっしゃるかもしれません。香りとしてはオリエンタルな甘みを主体として辛味も含む、影響力の強い香りです。
植物の種類としてはトウシキミといい、日本の山林に自生しているシキミとは異なるものです。お寺の境内などにも植わっている国産シキミはよく似た近縁種なのですが、これには注意が必要です。なぜならば、国産シキミは劇物(毒物)指定されているものだからです!なので大茴香が落ちていると思って口にするようなことだけは避けてください。最悪、死に至ることもあるそうです。

 8)乳香(にゅうこう・フランキンセンス・オリバナム)

お香原料 乳香 にゅうこう フランキンセンス

最近何かと取り沙汰されがちな、アラビアの香原料の代表的存在「乳香」ですが、別に牛乳は関係ありません。乳香は樹脂の一種で、ニュウコウジュという木から垂れ落ちる瞬間の樹液がまるで乳が滴るような乳白色をしているから、乳香と呼ばれているのです。
香りとしては名前のイメージに引っ張られがちですがミルキーな香りではなく、オリエンタルな雰囲気の中に樹木らしい爽やかさがあり、樹脂特有のヤニを少し感じる香りです。

乳香について古くはエジプトの神官の儀式を描いた壁画、旧約・新約聖書にも記載があり、シバの女王とソロモン王の会見、イエス・キリストの誕生の際などにも登場する由緒ある原料です。宗教儀式には欠かせないもので、今でもカトリック教会の儀礼では乳香を香炉で焚き、煙をくゆらせて用いるそうです。

 9)龍脳(りゅうのう・ボルネオ―ル)

お香原料 龍脳 りゅうのう ボルネオ―ル

龍脳の香りは、タンスの匂いといえば思い浮かぶ方が多いかもしれません。その理由は、防虫剤として使われている樟脳(しょうのう)が龍脳の仲間だからです。虫が嫌がる”忌避効果”があり、樟脳と同じ使い方として奈良時代から匂い袋に多用されてきました。他には書墨にも用いられ、書道教室特有の香りとなっています。
樟脳はクスノキから化学的に精製されるものに対し、龍脳はボルネオ島などに自生するリュウノウジュという木から直接採取されます。ですがリュウノウジュは現在は絶滅危惧種に指定されており、過去の乱獲の影響で現在取り扱われる龍脳の天然物は大幅に減少しています。なので工業製品に使用される際は、樟脳から抽出した主成分である「ボルネオ―ル」という化学成分で代用している場合もあります。
龍脳は古代中国、唐の時代(日本の平安時代前期頃)には最も貴い香原料として扱われたこともあり、玄宗皇帝の統治の頃には良質の龍脳を求めて乱獲されたといわれています。その玄宗皇帝が妃である楊貴妃に贈ったのが、誰も手にしたことのない極上最高級の龍脳だったのです。ですが玄宗の想いも虚しく安禄山の乱にて楊
貴妃は処刑に追い込まれ、玄宗が後年に埋葬された楊貴妃の亡骸を掘り返させたところ、傍らにあった龍脳の匂い袋の香りに咽び泣いたというお話があります。

 10)麝香(じゃこう・ムスク)

お香原料 麝香 じゃこう ムスク

ムスクといえばよく香水に使われる原料として人気ですが、和名では麝香といってお香にも珍重されてきました。ですがその正体は、ジャコウジカの生殖腺を切り取って中の分泌物を乾燥させたものを原料として用いているのです。この採取法が原因でジャコウジカは現在絶滅危惧種であり、ワシントン条約で輸出入禁止に指定されています。
麝香は動物性香料として、素材そのままの香りはとてもではないですが良い香りとはいえません。ですが数万倍から数千倍に希釈することによって芳香性を感じる濃度まで薄まり、様々な用途が生まれるのです。実はこれはジャスミンと共通の「スカトール」という成分が原因で、逆に言えばジャスミンを濃縮すれば凄まじい不快臭にもなりえるということなのです。
香水などに使用されている麝香は合成香料としての麝香の場合が殆どであり、これを呼び分けて「ホワイトムスク」としています。よく雑貨屋でみかけるようなフレグランス商品はこちらになります。さすがに天然の香りには遠く及びませんが、麝香の香りを感じるため一度体験してみてはいかがでしょうか。

5.まとめ ~原料をより一層楽しむ方法~

いかがだったでしょうか?お香の原料は数多くありますが、今回はその中のさわりだけをご紹介いたしました!
ここでは紹介しきれないほどまだまだ存在する香原料ですが、それらを組み合わせれば更に千変万化の可能性を秘めています。
なので皆さんにも可能性の発掘のきっかけとして、まずは素材本来の香りを体験するところから挑戦していただきたいと思います!

香源の店舗(東京・名古屋)では実際の原料のサンプルを手に取りながら匂い袋を作っていく体験講座も行っております。
他にもお線香や煉香も作れますが、まずは匂い袋に入れていく原料の香りを、素材が一つ混ざり合わさるごとに変化していく様を実感しながら香りデザイン体験として実際にお楽しみいただきたいです!
ご希望の際はあらかじめ各店舗までお電話いただければ、ご希望に応じてお時間を設定いたしますので、よろしくご検討ください!

※(現在は新型コロナウイルスの関係でご予約は受け付けておりません。また折を見て再開する予定です。ご迷惑お掛け致しております。)

ご連絡先

お申し込み先電話番号
東京銀座本店 :03-6853-8811
東京上野桜木店:03-3827-6666
名古屋本店  :052-486-1888

 

(文:香源銀座店 お香コンシェルジュ 小出悟)

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